チリとスス

エアロゾルとバイオマスと環境について,考えたことをメモします。

ppmという単位

水質の分野で,ppmという「単位」がよく出てきます。しかも,mg/Lと等価であるという書き方をされます。

 

これは,とてもわかりにくい話です。だいたい,無次元の割合,百万分率を示す記号でしかないppmが,なぜ質量/体積という単位と等価になるのか。ちょっと頭を使えば水1mLは1mgに等価で,そこから,水でいうところのppmがppmv(体積比)ではなく質量比であることもわかるのですが,その単位変換過程を省略無しで説明したサイトは…自分が探した限りでは,まだ見つかっていません。他の方も混乱しがちだからか,質問サイトへの投稿をいくつか見かけます。

 

水の分野では「水の密度はほぼ一定」で,そして「水中の汚染物質の質量は全体の質量に影響を与えない程度に少なく」が成り立つためでしょう。ところが,空気では,密度は一定ではないし,汚染物質は成分と状態で密度がだいぶ変わる。だから,ガス状の汚染物質と粒子状の汚染物質を同じ単位で書くこともあまりしない。何より,水質のppm(質量基準)と大気質のppm(体積基準)の基準にする次元が違うということにびっくりしました。

 

mg/Lをppmと等価とするという方針は,シンプルで実用的ですが,百万分率がどうしてそうなるのか,をていねいに理解しておきたいと感じました。でないと,空気の話をするときに,わけがわからなくなります。